狼と僕

あるときから、狼が好きになった。

 

もっと小さい頃(幼稚園くらい)、ぼくはほ乳類があまり好きじゃなかったと思う。今も大好きだが、当時の僕はティラノサウルスゴジラといったトカゲ系のクリーチャーが大好きでたまらなかった。一日中恐竜図鑑を眺めていたような。

単純に造形が好みで、牙や長くて太いしっぽに強さの象徴を感じていたのだろう。またマズルが長い顔も鋭くてかっこよいと思った。

そんなトカゲ系のキャラクターだが、不満もあった。ティラノサウルスといったトカゲ系キャラクターは、小さい頃僕が触れていた作品では悪役が多かったのである。ビーストウォーズのメガトロンや、ドラクエのドラゴンとか。

特にビーストウォーズは、とても大好きだったのだが複雑な気分で見ていた。主人公サイドはほ乳類、敵サイドは恐竜という図式は、幼い僕に世間一般のイメージもだいたいそうなんだろうな、という確信をもたせた。

一方でほ乳類はというと、人間もほ乳類の一種であるためか仲間や相棒を任されることも多く、また猫や犬は愛玩対象になるため、ひいきされてずるいなーという感情を抱いていた。

 

そんななかで僕に衝撃を与えたのが、狼という動物だった。

三匹の子豚や赤ずきんや狼と七匹の子山羊でことごとく悪役にされていた。狼はヨーロッパでは家畜等をおそう身近な害ある捕食者だったから、とは知ってもほ乳類なのにかわいそう、と思ってた。そうして僕は狼になんだか親しみを覚えたのである。また、狼の外見もよかった。トカゲと通ずる、鼻の長いすらっとシャープな顔つきは精悍でとても格好良く感じた。みんなからは悪者としてのけものにされてることが多いけど、イケメンな顔で群れとかでの仲間の絆はとても強い、という狼に魅了されていったのであった。

 

 

その後出会った魅力的な狼のキャラクターの数々の存在も、その後の僕のケモナーとしての性癖に大きかったと思う。

具体的にはPS2ゲームの大神、とか平井和正原作のウルフガイシリーズかな。ウルフガイって作品はなかなかえぐみのある作品で、「今日から俺は!」のようないいやつではけしてないタイプのガチ悪不良の中で、狼男の転校生がきて色々巻き込まれていくって話。暴力とレイプ満載!!って感じで暗い雰囲気の作品だけど、周りから超越してどこか余裕を持ちながら自由に生きている狼男の主人公(終盤は話が変わってくるけど)は僕の厨二心を大きく揺さぶった。大学の頃僕が書いてた漫画の主人公も、狼男だったけどこの作品をおおいに意識していた。

この狼男って存在が、僕を狼にさらに引きつけた要因といってもいいだろう。話は単純で、仮面ライダーウルトラマンが大好きな僕は、狼男の「変身」という要素にヒーローっぽさを感じたのである。

というか、狼男の方がはるか昔からあるからこちらの方が変身ヒーローの祖先なのかもしれない。

中学生くらいの頃はウィキペディアで狼男の歴史の長さにびっくりした記憶がある。

以下ウィキペディアからコピペ

 

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歴史[編集]

 
紀元前460年ごろのローマ帝国の壺

ヘロドトスの『歴史』(IV, 105)にあるネウロイ人(Νευροι)についての一年に一度狼になるという記述や、医学的な記述としてはローマ帝国末期に人が獣化する現象が初めて「症候群」として紹介され、ギリシア神話ゼウスリュカーオーン王をオオカミに変身させる話についても言及された。なお、プリニウスは、『博物誌』の中で狼男の記述をしているものの、彼自身は「狼に変身し、その後元の姿に戻る人間があるということ程、出鱈目なものは無い」と断言している。

また旧約聖書ダニエル書』には、ネブカドネザル王が自らを狼であると想像して7年間に及んで苦しむ話がある。

 
古代ゲルマン、トルスルンダの「狼となったベルセルク

宗教学的には、古代東ヨーロッパ地方のバルト・スラヴ系民族における「若者の戦士集団が狼に儀礼的に変身する」という風習(熊皮を着た狂戦士=ベルセルク)が、時代が下るにつれて民間伝承化されたものであると考えられている。バルト地方における獣人化伝承に取材した初期の小説として、プロスペル・メリメによる「狼男」ならぬ「熊男」(Lokis)がある。クマもギリシア神話における女神アルテミス及びその侍女カリストークマへの変身が結び付けられるなど、変身譚と結びつきの強い動物である。

また、エスキモーには「クマの毛皮には魔力があり、クマは家の中で毛皮を脱ぐと人間と同じ姿となる。反対に人間が家の外でクマの毛皮を身に付けると、たちまちのうちにクマに変身してしまう」という伝承を伝える部族がある[3]

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ー引用ー
「"狼男"」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
"2018年 2月27日" UTC
URL:

狼男 - Wikipedia

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なんと紀元前から狼男っていたらしい。

そういえばギリシャ神話とかでも、北斗七星の伝説みたいに獣への変身譚がある。なかには医学知識もない時代、狂犬病とかを獣に憑りつかれて狂った!みたいな話を獣への変身で説明した出来事もあったのだろうけど、狼男という存在が長い時を超えて語り継がれているのってすごいことだと思う。

もしかしたら古代の人々の中にも狼の魅力にとりつかれて、狼に変身する話を書きまくってた人がいるのかもしれない。

 

こういう話を考えると僕の狼が好き、狼に変身する話が好きっていうのも古よりDNAに刻まれてきたことなのかもなぁと思った今日このごろ。(話の落下点が見えなくなったのでここらへんで終わります。)